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けれんさん、こんばんわ。
今回は少し意見の食い違いがあるかと思いますが、どうかお気を悪くなさらぬよう。
まずこの本は薬物療法が基本であることを明らかにしています。そこが、心理学者の書いた本としては良いところだと思っています。
はい。おっしゃる通り、薬物療法が基本であると述べてあったと思います。
私は、この生物学的病気に対して精神療法は効果が見込めないと思っていたのですが、生活態度や病相変化の早期発見、病気の性質の理解といった面での学習・教育の必要性はあると思います。その助けとしてcognitive behavioral therapy(CBT=認知行動療法)を知ること・学ぶことは無駄にはならないと思うようになりました。
前者の、「生活態度や病相変化の早期発見、病気の性質の理解といった面での学習・教育の必要性」は、もちろんあると思います。ただ僕は、それを知るにあたって、CBTは必要ではないのでは?というスタンスです。
一般にある認知療法も合う合わないがあります。やっていて疲れるし、とことん自動思考を修正するのは根気の要る作業です。万人に有用とは思いませんがそれなりに活用すればいいという姿勢です。
けれんさんが、万人に有用とは思わないと思われるように、僕は認知療法が無理だと感じました。有用、無用以前に、思考経路を変更するのは人格を変えてしまうのではないかという不安、そして、シナプスの結合を増やして(?)思考速度を上げることはできても、経路を変更するのは相当な苦痛を伴うのではないかと思いました。ただ、これはやはり僕も、人によりけりだと思います。
この本の意義は、最初にも書いたように心理分野の人が薬物療法の補助的位置づけでCBTを提案していることにあります。そういう点に加えて躁うつの一般的CBTの本を世に送り出したという2重の意味で評価したいと思っています。
とにかく、おそらく現在入手できる、日本語の躁鬱向けCBTの本はこれしかないと思われるので、一読の価値はあると思います。